« それでも月の夜には愛が降る 13 | それでも月の夜には愛が降る | それでも月の夜には愛が降る 15 »
それでも月の夜には愛が降る 14
2007年12月 9日 日向夏姫 | 個別ページ | コメント(1)
また、更新が止まっておりました。すみません。
準×リョウのお話の続きですが、なんだか暗い話となっております。
まだもう少し、お付き合いください。
もう、これ書いていた頃は、どっぷりでしたから。うはは。
面白かったな~という方は、ランキングにポチと、お願いいたします。
--------------- ここから ↓ 続きです ------------------
「好きとか......、愛しているっていう言葉が信じられない。愛ってなんだよ。オレとセックスしたいっていうことなのか?」
そうリョウが言う、その言葉に準はベッドに仰向けになったまま身動きが取れずにいた。握りしめるシーツが深い皺を寄せ、準の手の中に収まっていく。
「リョウ、な......。」
「黙って、聞いていろよ!オレの話を聞くて言っただろ!」
やっとの思いでリョウに身体を向けた準は「違う」と言ってやりたかったが、リョウは準の顔を見ようともせず、背中を丸め膝を抱えたまま、拒絶を現す。暗がりで光るリョウの髪、白い肌だけが浮かび上がっている。抱えた膝の中に顔を埋め、準から、自分から......、遠ざかろうとしているようにも見え、準はまた、その場所から動けなくなっていった。
「好きだって、言って、近づいてくる男も女もみんなそうだった。子供の頃から、オレはそんな対照だったんだ。男同士でセックスしちゃいけないとか、自分で知る前から、そうだった。女とセックスする前から、オレは男を知っていた。オレは、可笑しい。オレは、普通じゃない。そうずっと思っていた。そしてみんな口を揃えて「秘密だよ」って言う。」
「分かったから!もういい!もう、言うな!」
肩を震わせながら喋るリョウを見ている事が出来なかった。
もう、止めてくれ。
お前がどんな奴か、オレが一番知っている。そんな過去に振り回された儘でいないでくれよ。オレがいるじゃないか。オレは、お前を可笑しいなんて思っていない。意地っ張りで、負けず嫌いで、本心がなかなか言えない、でもお前が本当は純粋だって知っている。オレを信じているって知っている。人見知りで、オレの後ろに隠れる様に立つ、お前を知っている。
好きだと、愛していると言った、初めての夜。あの時のお前はとろけるような笑顔をオレに見せてくれたじゃないか。オレはお前を知っているんだから......。
溢れる想いを口に出来ず、準はリョウに怒鳴ることしか出来なかった。
「何を分かっているって言うんだよ......。」
顔をあげたリョウの唇はきつく噛みしめられ赤く染まっていた。泣きはらしたかの様な瞳の縁も赤く潤んで、真っ直ぐにと準を睨み付けてくる。
「何が分かってるんだよ!もう聞きたくもない話だから?お前だって、同じじゃん。オレに好きだって言っても、同じように『秘密』だって言う。分かってる、これは『秘密』なんだ。お前はそう言って、オレ以外の女を抱くじゃないか!何処が違うって言う?」
引きつらせた口元を歪ませ、美しい顔は一層美しさを増していく。残酷な表情すら、目眩を起こしそうな位いリョウに見方する。
実際、目眩が起きそうだった。
オレ達の仲は、『秘密』だった。だけど誰にそれを言えるというのか。親友の真喜子には言ったけど、公然と言える筈がない。事務所にだって、ましてやファンにだって、言える訳がない。オレ達は今までにだって幾度と無くマスコミに面白可笑しくゴシップを提供してきた。
同じタレントにすら噂されて、ファンにだってそういう意味でも騒がれて、でも本当のことなんか言える筈はなかった。
「言えないだろ?『秘密』なんだから。」
意地悪な目をしてリョウが言う。
「オレがお前を好きだと言っても、信じられないのはオレ達の関係を秘密にしているからなのか?それとも、オレが女と寝たからなのか?」
ゴクリと準の喉が鳴った。
「女と寝たのは、言い訳しねぇよ。お前が欲しかったけど、お前を抱きたかったけど、出来なかったから、女と寝た。愛なんかじゃねぇ。悪かったよ、愛が無くても抱けるんだ。」
「女となら噂されても、いいからな。」
リョウがぽつりと言った。確かに、それもあった。オレ達の「ホモ説」が流れる度にオレは態とらしく女とつき合ったりした。でも、それはそう言う風にしかお前を守る術を思いつかなかったからだ。他にどうやって事務所や、マスコミや、まとわりついてくる五月蠅いファンを巻けって言うのか?
「じゃ!リョウ。お前は?お前はオレとのこと公になっても良かったのかよ!オレ達の今の立場と昔のお前に酷いことした奴と同じじゃないだろ。」
オレの発した言葉に、何も言えなくなるリョウ。そうだろ?リョウ......。お前は何時だって仕事を優先させていた。オレなんかよりも、仕事を愛していたんじゃないのかよ。
オレが誘ってこの世界にリョウを連れ込んだ。だけどリョウはオレよりも仕事熱心だった。レコーディングでくたくたになっても、「疲れた」なんて一言も言わなかった。どんなに疲れていても、眠くても、負けず嫌いのお前は泣き言を言わず、やって来たじゃねぇの。
来月から始まるコンサートにだって、睡眠時間を減らしてまでスタッフと打ち合わせをしていること、オレは知って居るんだ。
「秘密にしたくて、してるんじゃねぇよ......。」
そんなこと、お前だって分かってるだろ。
「オレが、お前に好きだって言っても、まだ信じられないのか?お前は、オレのこと好きじゃなかったの?オレのこと、好きだって言ったのは、全部嘘かよ。オレが、お前をただ抱きたくて、それだけで近づいて来たとでも言いたげだけど、お前はただしょうがなく抱かれているだけだったのかよ。」
「......、だって、オレは汚い......。」
そっとリョウの裸の肩に触れた。冷たくなった肩先はもう準を拒絶はしていなかった。後ろからシーツを被って、リョウを抱きしめた。すっぽりとシーツにくるまった二人は、冷たくなった身体を寄せ合うように寄り添った。
窓から見えるのは、星のない月だけだった。
「汚いなんて、言うな。お前にどんな過去があっても......、」
「オレはあった時から、お前が好きだったよ。」
オレの言葉を遮るように、リョウが口を開いた。
「どんな過去があっても?本気でそれを言うの?準。」
じゃ、なんて言えばいい。昔からお前がそういう対照でしかなかった子供時代を過ごしたことについて、なんて言えばいい。
「お前の、せいじゃない。お前が誘ったんじゃない。これ以上、傷つかないでくれよ。」
抱きしめるオレの腕に暖かい液体が流れていった。それがリョウの流している涙と気付くのに少しの時間がかかった。リョウが泣いている。
「オレは、お前が好きだった。お前は知らない......、ずっと好きだった......。高校に入学して、お前に出会った時から、オレの中は、準で一杯になっていった。オレは、それがイヤだったんだ。オレはお前に惹かれていったよ、どうしようもなく。苦しくなるのを承知の上で、好きになっていった。オレ、それまで、人を好きになったことなんかなかった。秘密を作っていった奴らを好きだと感じたことなんてなかった。オレ......、自分が可笑しいって気付いたのも、お前を好きだと気付いたからだよ。オレ、男なのに、お前に抱かれたいって、思っていた。知らなかっただろ?オレは、三年間づっとお前に恋していた。」
「リョウ、じゃ、なんで......?」
なんで、今さらお前の過去とか、別れたいなんて言い出すのか?オレ達、お互い気持ちは一緒なんだろ?
切ないリョウの想いを聞いて、オレは困惑していく。
「オレは、汚れている。お前は、きらきら輝いていた。だから、オレはお前と一緒にいるのがだんだんと辛くなっていった。オレが、準を汚している。」
そうだろ?そう言ってリョウはオレに向き直り、迫ってくる。
「違う、そんなんじゃない。リョウ、違う。」
馬鹿の一つ覚え見たいに、ただ同じ言葉を繰り返し言っていた。
抱きしめて、同じ言葉を繰り返しているうち、いつの間にか眠りについていた。深い眠りではなく、抱きしめたリョウの温もりを身体に感じながら、確かめる様に幾度も抱きしめながら眠りについていった。
もっと詳細にBL小説の好みを極めたい方はこちらがおススメ!

- それでも月の夜には愛が降る 22
- それでも月の夜には愛が降る 21
- それでも月の夜には愛が降る 20
- それでも月の夜には愛が降る 19
- それでも月の夜には愛が降る 18
- それでも月の夜には愛が降る 17
- それでも月の夜には愛が降る 16
- それでも月の夜には愛が降る 15
- それでも月の夜には愛が降る 14
- それでも月の夜には愛が降る 13
- それでも月の夜には愛が降る 12
- それでも月の夜には愛が降る 11
- それでも月の夜には愛が降る 10
- それでも月の夜には愛が降る 9
- それでも月の夜には愛が降る 8
- それでも月の夜には愛が降る 7
- それでも月の夜には愛が降る 6
- それでも月の夜には愛が降る 5
- それでも月の夜には愛が降る 4
- それでも月の夜には愛が降る 3
- それでも月の夜には愛が降る 2
- それでも月の夜には愛が降る 1
FROM 20070612 ACCESS
現在の閲覧者数:
- Novels
-
- 芸能界もの
- 学園もの(イッチ×葵)
- 学園もの(空音×悠依)
- 異世界もの
- 短編集
- Diary Blog (14)
- Link
-
★相互リンク★
★素材屋さん★
★検索エンジン【BL系】★
- Tags
- Powered by
- Search
-
- ブログペットの葵







コメント(1)
BlogPetの葵ちゃん :
日向夏姫が回転するの?
コメントする