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タイムアウト 9
2008年8月31日 日向夏姫 | 個別ページ | コメント(1)
すみません、こんばんは。日向です。
今晩、アップしますと言ってから、果たしてナン日過ぎましたか?
ずっと寝ていません。もう何日寝ていないだろう。
ナチュラルハイです。
ちょっと、久しぶりに仕事が入ったので。少しやったら止まらなくなってしましました。
困ったものです。今晩は寝ますね。
さてさて、航太の過去へ行ったお二人に何が起こるのか~~!
って、すんません。
BLの「L」が、 ない ?
ま、まぁね!
うふふ!
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つながれていた手が指を離れ、宙をさ迷い中途半端な位置でとまる。戸惑いと緊張感、そして気だるい嫌悪感が二人の間に漂っているようだった。
「ここ、どこ?」
先に口を開いたのは、瑞樹だった。
見覚えのある街。ここはオレが小さい頃住んでいた街だ。まだ、かあさんと一緒に住んでいた頃の。軽い痛みが胸に走る。
かぁさんとの思い出は、思い出そうとしても浮かばない。それどころか母親の顔すらもうリアルには思い出せなくなっている。写真で見る、若い女性を母だと認識する以外思いではないに等しかった。
夕暮れが沈みかけていた。そんなに寒くもない、暑くもない。今は、いつなんだろう。
「航太、ここって」
らしくない、マジメな表情をした瑞樹が航太の正面にいた。
「オレの、過去らしいな」
まだ、ズキズキと痛い頭の中。前はこんなにも頭痛はしただろうか?
こんなにも気分が重いのは、時間を通ってきたから、それだけではないのは分かっている。
なんだか、かなりヤバイって気がしてならない。
辺りを見渡してみる。気持ちを落ち着かせてみると俺たちのまわりには人通りが多かった。 商店街の中腹らしい、道の真ん中に俺たちは現れた。
しかしそのことに誰も気づかれることはなく。
航太を追い越していく自転車に乗った若い母親が、子供二人を前後に乗せ勢い良く走り抜けていく。危うくぶつかりそうになり道をあけた。
「うっわ」あぶねぇとか小さく毒づく瑞樹が近寄ってくる。瑞樹にとっては見知らぬ街だ。しかし、今が過去なのだということは、うすうす気づいてはいるだろう。
何年前になるのだろう。此処の街は。オレは、何処に居るのだろう。俺は、いくつなんだろう。
「どこかに、お前が居るはずだろ?この間のオレの時みたいにさ」
オレが思っている疑問と同じ疑問を瑞樹が口にする。
「いつも、同じパターンとは限らへんのと違うか?」
どこを見渡しても、自分らしい子供は見あたらない。そして、母親らしい人物も。
面影だけしか分からない、自分の母親。1枚だけ残された写真すら、自分の記憶にある母親とは違っていた。
瑞樹が、動き出した。
「おま……!何処行くねん!」
オレから離れていく瑞樹の腕を強く引いた。
「いてーよ。此処にボーっと立っていたってどうにもならないだろ?せめて、今はいつなのか位は知っても良いんじゃねぇの?随分昔っぽいけどさ」
「急に動きまわんなや」
「なんだよ。ピリピリすんなよ。此処どこか分かったのかよ?」
「頼むで、瑞樹。オレ頭がすげー痛いんだ。ナンかする前に声をかけてくれ」
米神が、一段と痛み出した。早くここから出たい。
ヤバイ感がぞくぞくと背筋を駆け上ってくる感じだ。
でも、どうやってここから出ればいいんだ。どうやってここに来たかも分かんねぇのに、過去から抜け出る方法すら、見あたらない。
ここは、危険だ!何処からとなく危険信号が体内でうごめき出す。あの時と同じ感覚に囚われる。あの、オレの力。そう呼んでいいのだろうかまだわからないものがオレの意志とは関係なく出てくる時に感じるあの感覚が、全身に取り巻く。
目の膜にもう一枚薄い膜が掛かったかのような錯覚に陥る。ヤバイ気がする。
「航太、ほら、あれ!」
突然叫んだ瑞樹の指さす方を見た。小さな子供が、一人で八百屋の店先に立っている。
「あれ、航太じゃねえ?」
黒髪の色、瞳の動き、確かに自分の様な気がする。写真とか、ビデオとかでなく、現実に動いている今を生きている幼い自分を見つけるのは、なんとも気持ちが悪かった。
「あんな、小せえの?今はいつだよ」
「多分、オレが母親と一緒にいた頃だから、4~5歳」
「12~3年前?ここはどこよ!」
「うるせえ!黙ってろよ。ここは大阪の外れだ。瑞樹、お前、頭、痛くねえのかよ」
妙にハイテンションな瑞樹がはっきり言って、ウザイ。
いきなり航太に凄まれた瑞樹は、一瞬瞬きを繰り返し言葉を止めた。
「頭、痛いのか?」
「割れそうだ」
額にタチの悪い汗が滲む。そして乾いていたはずの傷が疼き血が滲んで来ていた。傷口が開いてきたらしい。
瑞樹の腕が航太のシャツを握り締める。その視線の先には背丈が130センチほどの子供に釘付けにされていた。黒髪、黒い目。そんな子供はゴマンといる。だがしかし、その雰囲気がどうしても目が引き付けられる。
たまらずに。
ゾワリと。
八百屋で幾つかの野菜を買い、店屋の店員からお釣りを受け取っていたその子供を俺たちは伺い、歩き出すのを待っていた。
そのとき、八百屋から若い男が店先から顔を出し、子供へと声をかけた。子供は振り返る。
「航太、かあさんまだ風邪が治らへんの?一人で使い、えらいなあ」
そう言って、もう間違いなく小さなオレの頭を撫でた。
ああ、思い出した。八百屋の次男坊の啓吾だ。
いつもお釣りの計算を間違える。子供の航太でも計算できる程の簡単な計算すら間違えては父親にゲンコツを食らっていた、あの啓吾だった。
そして思い出す。走馬灯の如くは無理だが、眠っていた、今まで一度も思い出したことが無かったこの場面も、確かに見覚えのある場面だった。
キリキリと胃が痛む。なんなんだ。
体中の神経がおかしく成りそうだった。うずくまって腹を押さえるオレに、瑞樹が心配そうに屈み込んできた。
「おい。本当に大丈夫か?出直そうか?」
「お前、ほんま、あほやろ…。どおやって出直すんだよ。買い物しに来た訳ちゃうで」
「え。出られないのか?オレらの意志で?」
この場面で情けない顔をしていたのは俺の方だと自身がある。ほんま、アホやでこいつ。
「今更、気ぃつくな。ここに来たんだって、オレらの意志ちゃう…、やろ?」
なんでこんなに、頭痛がするんだろう。声すらまともに出ては来ない。それに比べ相変わらず瑞樹の方は、体の不調は何もないようだ。
「イベントが済むまで、出られないっちゅうことか」
あほか。そう言おうとして、止まった。
「イベントが済むまで」だと?
そうなのか?ここで、これから起きる何かしらの事件が済むまで、それを見るまでオレは、オレと瑞樹はこの過去の世界から出られないって言うのか。
これはナンなん?何フラグってよ。
「勘弁してくれよ」
心底、泣きたい気持ちになってきた。これから起きるイベントって何やの。
「さあ、イベントの始まりだ。航太、歩けるか?チビ航太は歩き出したぞ」
「お前、楽しそうだな。これから起きるイベントはお楽しみ会と、ちゃうんやで」
「所詮、オレらは見るだけの傍観者だろ?」
だと、いいけどな。
オレは、イヤな気がして成らない。なんでこの時代、この場所にオレらは来たんだ。オレは望んでいない。ましてや、瑞樹にだって見せたい過去なんて無い。
思い出せ。此処に来る前、オレら何した?どうやって、此処に来るきっかけを掴んだ?
思い出そうとしても、頭と腹の両方で俺を攻め立てる。
大事ななにかが、抜け落ちた。そんな気持ちの悪い、落ち着かない気持ちではちきれそうになっていく。
---つづく
もっと詳細にBL小説の好みを極めたい方はこちらがおススメ!

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コメント(1)
BlogPetの葵ちゃん :
宙って…なんだろう…?
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