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夏の花火 14 (完結)
2008年8月21日 日向夏姫 | 個別ページ | コメント(0)
遅くなってしまった。
ごめんなさい~~。
書いても書いても、終らないんです。
いっそ、あと2回くらい増やそうかと真剣に思ったほどです。
はぁ~、終った。
しかし、こんな終わりですみません!(たった今、書き終わりました。誤字脱字へんな日本語多々あり。許してください。)
もうね、ここまで来るのになんど分岐点フラグが立ったことか。自分で書いていてBLゲームやっている気がしてきました。(ゲームやりすぎ)
分岐点に差し掛かると、その先2~3のフラグがたって、どの話を書こうか凄く迷うんです。
こっちを選ぶと、この先こーなるからぁ、こっちにしよか?あー、でもここでこの話の方が面白いけど、終らないし。
まさに自問自答です(アホです)。
そんなこんなで、書きあがりました。最終回。
怒らず、読んでください。
で、、、感想とかもらえたら嬉しいです。
-----------
葵だったものの腕を握り締めると、そいつはかなり弱っているのが目に見えてわかるがそれでも最後の力を振り絞るかのようにオレに威嚇してきた。
鋭い犬歯からほとばしる唾液が空に飛び散る。
「親殺しを助けるのか。お前も死ね」
シューシューと口から唾液を垂らし、喘ぎ苦しみながらも、俺を威嚇しようとしている。こいつは、葵じゃねぇってことくらい分かるけど、同じように苦しんでいる。
「お前を助けるんじゃねぇ。葵を助けたいんだ。出て行け、ここから」
「死ね」
「殺したって、刺したって、お前はそれで満足か。葵を道連れにさせない。こいつはオレのもんだ」
「はは、は。愛か?男同士で肉体を貪りあう、あさましい男同士の愛だとでもいうか」
挑発だとわかってはいるが、腹の中からどす黒い怒りがこみ上げてきた。この手首を握りつぶしてやろうかとも考えるが、この手は、葵のものだ。
それでも怒りは収まらず、ぐっと握り締めた拳で、思い切り葵の腹を一撃する。
心の中で葵に許しを請う。このぐらいでヘタバルお前じゃねぇだろ。
「げぇっ・・・」
力を加減したつもりだったが、身体を二つ折りにして悶絶する。倒れ掛かってくる葵を両腕で抱きとめる。後ろで航太が動くのを感じる。
「動くな!」
「道連れにされるぞ、離れてくれ」
大丈夫だ、まだ、大丈夫だ。
受け止めた身体が熱かった。そして、いきなりの激痛が首に走る。オレの背に腕を回した葵が勢い良くオレの首筋に歯を立てていた。
みしっと、皮膚が裂ける音がする。
それでも、葵を抱きしめる。想うことは「連れて行かせない、こいつは、オレの、もの」。
「葵、目を覚ませ。そいつを追い出せってんだよ・・・」
正気ではない光景だと思う。誰が好き好んで化け物を抱きしめ首を食いちぎられながら笑いを浮かべていられるだろうか。
自殺行為だと、間近で見ている二人は立ちすくむしかできないでいる。
骨が軋むほど葵を抱きしめる。
なんでこんなに必死になってコイツを守ろうとしているのか、もう一人の冷めた自分がいるのも確かだったが。オレはこいつを守るって決めたんだし。
しゃあねぇじゃん。
「くっそぅ、やめろぉ。イッチ、離れてっ・・・くれ」
本当に視界までぼやけてきていた。だからこの声を聞き逃すところだった。オレの首にかじり付きながら呻いているソレの同じ口から発せられる、もう一つの声。
「葵か」
目を見れば正気かどうかはわかる。金色の瞳は色濃くなり、本来の葵の色へと変化している。
「早く、離れろ。こいつを食い止めるからさぁ」
口内を真っ赤な血で染め、そう微笑むシーンはゾッとしない。
「そいつを、早く追い出せ、なにやってんだ、このタコ」
へへっと口元を横へ広げるその癖は、次回から遠慮していただこうと決心する。
「ダメなんだ。追い出そうとしても、ムリっぽい。だからもうさ、いいから。イッチはなれろよ」
まるでパントマイムのような仕草で、自分の腕を誰かに無理やり剥がされる動作をする。中にいるヤツと葵との肉体の争奪戦なのか。その顔は苦痛で歪んでいるが、どうにか笑みを作り出そうとしている。
「離れろっ」
そう叫ぶと、葵はオレを突き飛ばした。突き飛ばすというより、衝撃波をくらったという方が相応しい。
そのとたんに、べとついた周りの空気が、更に濃くなった気がした。同時に息苦しさも加わる。地震かと思われるほどの浮遊感を感じ、その重い重圧で胃の辺りに鉛を感じた。
「次元がひらく」
航太の呟きがオレを焦燥感に陥れる。まだだ。
突き飛ばされた地面から起き上がり葵へと突進しようとするせつな、航太と瑞樹に羽交い絞めにされた。
もがこうとするや否や、航太の素早い指の動きと呟きから生まれる黒い煙に動きを封じられてしまった。声すらでない。黒いもやもやは、形を有限化し紙切れとなり俺の額に張り付く。ただそれだけなのに、身動きを封じられてしまった。
まだだ。オレはまだ葵を助けていない。あいつはまだ心ん中はガキで、しょーもなくて、ちくしょう!
呪文みたいな言葉が航太の口から発せられると、瑞樹が事もあろうか白蛇へと変身し葵の身体を包み込んだ。
ありえねぇし!
キリキリと締め上げられると、葵は絶叫した。慟哭ともいえるその声は聞いていられないほどの感情の嵐だ。ビリビリと空気が軋む。これでもかと開かれた葵の口から、どろどろとした液体が流れ出る。
内臓が吐き出されているのかと思うほどだ。
ゆっくりと形を成すそれは、一人の少女へと変化していく。ホラーだった。
後ろの空間では、ぐるぐると渦巻く空間が出来ている真っ最中だし、白蛇になった瑞樹は葵に巻きついたまま黒い影の少女へ唾を飛ばすほどの勢いで攻撃しているし。
キングギドラVSゴジラかよってくらいの壮絶さだ。
黒い影は今一度、瑞樹の中へと戻ろうとし、蛇に阻止される。その瞬間、まばゆいひかりが交差する。
瑞樹に絡まれたままの葵はぐったりといや、ぐにゃりと正体をなくしている。きっと気を失っているに違いなかった。
この妖怪対戦に終わりが来るのかと、金縛り状態になった無様なオレは目を閉じることも許されず見守るしかできなかった。
「ジジィ!今だっ!」
航太が叫ぶ。誰だよジジイってよ。ウルトラマンでもくるのか。ふざけているわけでもないが、オレの可愛そうな脳みそは想像力皆無だ。
航太が右手を前へと差し出す。迸る光が手の甲から勢い良く放出されるのを呆然とみた。黒い影へと一直線へ伸びる。
マジで。
その光線の勢いに負けじと航太はもう片方の腕を添えている。その表情は蒼白だった。真剣そのもの。
こいつが事切れた場合、葵も蛇も黒いのもどうなるんだ。
そう思いつくより先に、身体は動いた。びしっと電流でも流れているかのような衝撃。それでもかまわずに、地を這う。
「葵・・・!」
叫ぼうとした正にそのときだった。
眩い光線が、葵を食らおうとしている黒い影へと命中し弾き飛ばされた。
そのまま後ろの黒い空間へと吸い込まれるように、影から声ともつかない叫びが発せられるがその声もろとも空間は飲み込んでしまった。
「ジジイ、おせぇんだよ」
息も絶え絶えに、航太はそのまま膝を折る。まっすぐ地面へとおちて行くと思われたが白い影が走った。思わずオレは身を強張らせた。
その白い影は落ちる航太を受け止めトグロを巻いていた。
「市乃、葵を連れてまっすぐ進め。俺らは暫く動くことができない」
聞き取りづらい人語を話すキメラのごとく、巨大な白蛇が話した。ああ、コイツは瑞樹だったと思い出す。もう、驚くことに慣れてしまっていた。
「動けるか」
白蛇が目を細める。
「ああ、大丈夫だ。動けた」
「行け」
そう催促するように首を擡げる。
「お前たちは?」
葵へと足を進め、立ち止まり航太をその身体へと巻きつけている瑞樹へと振り返る。俺たちと一緒ににはいかないのか?
「俺らは、暫くはこの状態から戻れない。心配するな。市乃の心配すべき相手は、アイツだろう」
オレは、もうとにかくヘトヘトだった。瑞樹や航太を背負ってこの場から離れることは実際のところかなり、ムリだ。こいつらはどうも普通の人間ではないみたいだからオレが心配することもないのかもしれない。そう無理やりな結論を出し葵へと走り寄った。
もともと色が白い葵の顔は、血の気を失い土色を帯びている。まるで事切れているかのようだった。唇は紫色を通り越している。
「葵、葵っ」
揺さぶってもびくともしない。
思い切り平手を打つと僅かに眉尻を引くつかせた。
「起きろ、寝てんじゃねーぞコラ!」
生きていると確認すると、今度は無償に腹ただしくなる。
「イッチぃ」
トロそうな声が返ってくる。
「帰るぞ」
立ち上がり、腕を引き上げるが、葵はよろめき立つことも出来ない。しょうがねぇから肩を貸し、立ち上がる。
まっすぐ行けと、アイツが言っていた。
(市乃)
そう呼ばれたことを思い出し、思わず振り返る。どうしてオレの名前を。
人型に戻った瑞樹が、航太を抱きとめながらこちらを見つめていた。その目は強く、何か問いただせる雰囲気ではなかった。
まぁいい。また何処かで会うだろう。
草木を分けてしばらく行くと、神社によくあるような石で出来た祠のようなものが見えてきた。
「もう、だいじょーぶっぽい」
オレの肩にもたれながら歩いていた葵が、祠をみつけるとオレの肩から腕を外した。肩をぐるぐる回し、首をコキコキと鳴らす。
足元はまだふらついてはいるが、一人で立てないほどではなかった。
「ムリすんなって」
あんな化け物にとり憑かれていたのだ。
「うーん、でも大丈夫っぽい。それよりイッチさ、そのケガどうした。もしかしてオレがやったのか」
そういえば、そうだった。
忘れてしまえるほどのかすり傷ではなかったはずなのに、すっかり欠落していた。オレは出血多量で死ぬはずだったのに。
首に手を当てる。
ぬるっとした感触はあるが、傷口はふさがりつつあった。
両腕を確認するが、これも同様に皮膚は再生されつつあった。恐るべき回復力?
もう不思議なことには、驚かない。
家に帰ってから、ゆっくりと驚くことにした。
なにしろ、急激に睡魔に襲われてきたのだ。
口をきくのも億劫になり、葵の腕を掴んだまま、祠を通り抜ける。
眩いばかりの光の渦。
またもや航太のアレかと錯覚するが、手でかざしても衝撃波は来なかった。頭上に浮かぶは降り注ぐ真夏の太陽だ。
思い出したかのように泣き出す蝉の集団。
ジリジリと肌がこげる暑さを感じ、なぜかほっとした。
見慣れぬ広場へと出た。どこか古めかしい寺のような場所だ。
一歩足を踏み出す。
「おや、お客かい」
不意に後ろから声をかけられ振り向くとそこに立っているのは初老をとうに超えた頭の禿かかったじいさんだった。
ん?
自分が何をしにここに来たのか思い出せない。
横を見ると、葵がぼーっと立っている。
「お前、いつ来た?」
「・・・えーっとぉ」
なぜ、自分たちがここにいるのか、全く持って、全然思い出せなかった。
「ここは、どこ。わたしは、だれ」
呟く葵の頭をスコーンとなぐりつける。
「はっはっは。この暑さでやられたか。この奥の林から出てきたが、この奥には狐がおる、化かされたか」
はっはっはと威勢よく笑うジジイに好感が持てた。なんとなく、そうなんだろうと思うが、そん馬鹿なことあるわけねぇし、とも思う。
どっちでもいいか。面倒くせぇし。
「あっはっはっは」
同じように笑ってみる。
「あはぁ」
気の抜けた笑いを隣で零すアホがいるから、急にそのノリも冷めてしまう。
「アレ、イッチ擦り傷いっぱいあんじゃん?」
葵につつかれて腕を見ると、幾つも筋状のミミズ腫れがあった。まったく記憶ないが、特に痛くもないので、スルーした。
とにかく、ここにどうやって入ってきたのかわからない。本当に暑さでやられたのかもしれなかった。
「ジイさんさ」
何となく照れくさかったが、自分たちの街の名をだし、どうやって行くのか聞いてみた。「バスだな、そこだと」
「バスぅ?オレら歩いてきたんすけどぉ」
ジジイはただ笑っているだけだった。
このままこのジイさんに食ってかかっても仕方ないと確信し、そのバス停まで行こうと踵を返した。
数歩すすんだところで、後ろから声をかけられる。
「ボウズたち、身体はなんともないのか」
「はぁ?」
ジジイの質問の意味が全く不明だ。
首をかしげていると、尚のことおかしそうにまた大声で笑う声がこだまする。
「頭、イカレテんじゃね?」
失礼極まりないセリフを葵が吐くが、あながちウソではないと思った。
教えられたバス停まで歩く。町並みや住所からいって地元からそう遠くない場所と知るがこんなところに入る意味がまったく不明だった。
葵の腕をぎゅっと引き寄る。なぜそうしたのかは、わからない。
「なに」
金色だった髪が陽の光を浴び白く発光している。キラキラと輝く髪に顔をうずめたい衝動に駆られたのだ。
「イッチ・・・」
甘い声を出す葵の耳たぶを噛む。
「いてっ」
「発情してんじゃねーよ、タァコ」
隣に葵がいることの安心感など今まで感じた事がなかっただけに、疼く感情に自分で戸惑う。甘く食む耳を愛おしいとさえ思い、葵から顔を背けた。
なぜだか、動悸もする。
「ね、イッチ。お金ある」
尋ねてくる葵に戸惑うが、ジーンズの尻を探っても百円も出てこなかった。
「あー、歩きねー」
炎天下の中、どんだけ歩けば家路に着くのか。強烈な睡魔が襲ってくる。そういえば、オレ寝ていなかったんだっけか。
大きなアクビを繰り返す。眦に生理的な涙を浮かべ、横を見ると葵も同じように眠そうな顔していた。
とにかく、部屋に帰って寝ることにした。
「そーいえばさ、お前」
「なに」
「花火するとか言ってなかったけ」
「あーーー・・・、なんかも、いい」
太陽が高く、俺たちを見ていた。
もっと詳細にBL小説の好みを極めたい方はこちらがおススメ!

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